レンタルサーバーは検索順位(SEO)に影響する?
サーバー自体は検索順位に直接影響はしない
Googleなどの検索エンジンは、サーバーではなくドメインに対してサイトの評価を付けています。
サーバーはサイトの評価とは関係がないので、どのレンタルサーバーを選んだとしても、検索順位に直接影響することはありません。
つまり、100円のレンタルサーバーだからという理由で検索順位が下がることはないですし、1万円のレンタルサーバーだからという理由で検索順位が上がることもないということです。
しかし、レンタルサーバーの性能や機能によって、間接的な形で検索順位に影響することがあります。
検索順位に間接的な影響があるサーバーの性能や機能
レンタルサーバーの性能・機能の中で、検索順位に間接的な影響を与えるのは以下の3つです。
- サーバーの速度
- SSL(HTTPS)
- 転送量と同時アクセス数
サーバーの速度
料金の安いレンタルサーバーは性能が低く、優れた高速化機能も搭載していないため、当然サイトの表示速度(ページを読み込むのにかかる時間)は高性能レンタルサーバーより遅くなります。
サイトの表示速度は検索順位に影響があり、公表されているものでは以下の2つのランキング要素があります。
- コアウェブバイタル(Core Web Vitals)
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表示領域内の最大要素が読み込まれる時間やレイアウトのずれを測定する指標です。
コアウェブバイタルは、「ページエクスペリエンス」とよばれるシグナルセットの中の1つで、コンテンツの価値以外の部分に関するランキング要素です。
あくまでも一番重要なのはコンテンツの価値であるため、ページエクスペリエンスの評価で検索順位が大きく動くことはありません。しかし、複数のサイトでコンテンツの価値が同じである場合、ページエクスペリエンス評価の高いサイトが検索順位で有利になります。
- ページの読み込み速度
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ページの読み込み速度自体も検索順位を決める要素の1つとなっています。
※2010年にPC検索、2018年にモバイル検索で採用。ただし、ページの読み込みが速いサイトが評価されるのではなく、読み込みがとても遅いサイトのみ検索順位に悪影響が出ます。
また、サイトの表示速度が遅いことは、閲覧者の行動にも影響があります。
例えば、Googleが調査した以下のようなデータがあります。
- ページの読み込み時間が1秒から3秒に増加すると、直帰率は32%増加する。
- ページの読み込み時間が1秒から6秒に増加すると、直帰率は106%増加する。
引用元:ウェブに関する主な指標レポート
このように、サイトの表示速度が遅いと閲覧者がサイトを見る前に離れてしまいます。
また、閲覧者がすぐに離れるサイトであると検索エンジンに判断されて、検索順位が下がる可能性もあります。
参考記事
- コアウェブバイタル(Core Web Vitals)をわかりやすく解説
- ページの読み込み速度をモバイル検索のランキング要素に使用します(Google検索セントラルブログ)
SSL(HTTPS)
サイトをSSL(HTTPS)で配信しているかということも、検索順位を決める要素の1つになっています。
最近では、ほとんどのレンタルサーバーで無料独自SSLに対応しており、SSL化していないサイトのほうが珍しくなっています。
そのため、SSL化しているサイトの検索順位が有利になるというよりも、SSL化していないサイトの検索順位に悪影響があると考えたほうがいいと思います。
また、SSL化していないサイトにアクセスすると、ブラウザのアドレスバーに警告が表示されるため、閲覧者がサイトから離れる原因にもなります。
SSL(HTTPS)で配信しているかというシグナルは、コアウェブバイタルと同様に「ページエクスペリエンス」とよばれるシグナルセットの中の1つで、コンテンツの価値以外の部分に関するランキング要素です。
検索順位を大きく動かすものではありませんが、SSL(HTTPS)はサイトと閲覧者の安全に関わることなので、今後は重要な要素になる可能性があります。
参考記事
- SSL(https)についてわかりやすく解説
- ランキングシグナルとしてのHTTPS(Google検索セントラルブログ)
転送量と同時アクセス数
料金の安いレンタルサーバーでは、転送量と同時アクセス数の上限値が低く設定されています。
そのため、記事がバズるなどして大量のアクセスが発生した場合、すぐに上限値を超過して503エラーが発生し、サイトが表示されなくなってしまいます。
一時的な503エラーは検索順位に影響しませんが、サイトが表示されない状態を何度も繰り返していると閲覧者が離れてしまうため、結果的に検索順位への悪影響が出る可能性はあります。
Googleのクローラーは、503エラーを返すページに対して最長で1週間ほどクロールを再試行します。
その間であれば検索順位に影響ありませんが、1週間を超えると検索結果自体から除外されてしまいます。
サイトのメンテナンスを行う場合も意図的に503エラーを返しますが、検索順位への影響を抑えるためには、1週間以内に作業を終わらせる必要があります。
参考記事
ドメインやURLも変更するサーバー移転は検索順位に影響する
前述したとおり、サイトの評価はサーバーではなくドメインに付けられているため、サーバーを移転(引っ越し)すること自体は検索順位に影響ありません。
しかし、ドメインやURLの変更を伴うサーバー移転の場合は、検索順位に大きな影響があります。
ドメインやURLを変更する例としては、以下のようなものがあります。
- ドメインの変更
- ドメインの変更をする場合です。
(例1)「https://example.com/」から「https://○○○.com/」
(例2)「https://example.com/」から「https://example.net/」 - ページURLの変更
- 既存ページのURLを変更する場合です。
(例)「https://example.com/p=123」から「https://example.com/url-change」 - HTTPからHTTPSに変更
- HTTPからHTTPSに変更(SSL化)する場合です。
(例)「http://example.com/」から「https://example.com/」
検索エンジンは、変更後のドメインやURLを別のサイト(別のページ)と判断するため、正しい方法でサーバーの移転をしないと検索順位に大きな悪影響が生じます。
検索順位への影響を最小限に抑えるには、変更後のドメインやURLに「301リダイレクト」するよう設定します。
301リダイレクトは、検索エンジンと閲覧者にドメインやURLの変更を伝えることができ、変更前ページの被リンク(ページランク)も引き継ぐことができます。
参考記事
- URLを変更せずにサイトのホスティングを移行する(Google検索セントラルブログ)
- ウェブサイトの移動とURLの変更(Google検索セントラルブログ)
まとめ
レンタルサーバーと検索順位の関係についてまとめると、以下のようになります。
- 検索エンジンはドメインに対してサイトの評価を付けるので、どのレンタルサーバーを利用しても検索順位に直接影響はない
- レンタルサーバーの性能や機能(サーバーの速度・SSLの対応・転送量・同時アクセス数など)によって、検索順位に間接的な影響はある
- サーバーを移転すること自体は検索順位に影響ないが、ドメインやURLの変更を伴う場合は大きな影響がある
レンタルサーバーそのものが検索順位に影響するわけではありませんが、性能や機能面による間接的な影響を考えると、料金の安いレンタルサーバーより高性能レンタルサーバーのほうが検索順位において有利であるといえます。
特に、ブログやネットビジネスなどの多くの人を集めることが目的のサイトを運営する場合は、『エックスサーバー』などの高性能レンタルサーバーをおすすめします。
最初は料金の安いレンタルサーバーから始めるという方法もありますが、無料独自SSLに対応していることは必須条件となります。
レンタルサーバーの料金や機能の詳細、最新のキャンペーン情報などについては、レンタルサーバー比較|料金と機能の一覧をご覧ください。