転送量とは?レンタルサーバーの転送量について解説
転送量とは?
転送量とは、Webサイトにアクセスがあったときに、サーバーから閲覧者のブラウザに送信されるデータ量のことです。
送信されるデータというのは、HTML・CSS・JavaScript・画像・動画などのサイトを構成しているファイルたちのことを指します。
送信するデータのファイルサイズが大きいほど転送量は多くなるので、画像や動画を多く使用しているサイトであったり、JavaScriptやPHPのプログラムで動作するようなサイトは転送量が多くなります。
また、閲覧者ひとりひとりに対してデータを送信するので、アクセス数が増えるほど転送量も多くなっていきます。
送信されたデータの調べ方
実際にどのようなデータが送信されたかは、ブラウザ検証ツールで確認することができます。
Google Chromeであれば、調べたいページでF12を押し、「Network」をクリックするとデータの一覧が表示されます。
「Type」の欄がファイルの種類、「Size」の欄がファイルサイズになります。
転送量の目安と制限について
レンタルサーバーでは、日あたり、または月あたりの転送量の上限目安値が設定されています。
その目安値のことを、一般的に「転送量の目安」と呼んでいます。
転送量の目安を持続的に超える場合や、アクセスが集中して転送量の目安を大きく超えた場合に、速度制限でサイトが重くなったり、500番台のエラーが返されてサイトが表示されなくなるなどの制限がかかります。
参考:503エラーとは?503 Service Unavailableの原因と解決方法
※転送量の目安を少し超えたからといって、ただちに制限されるわけではありません。
※転送量の目安が無制限のレンタルサーバーもありますが、アクセスが集中して大きな負荷がかかった場合には制限されることがあります。
※転送量の目安を超えたことによる制限以外に、同時アクセス数の上限値を超えたことが原因で制限がかかるという場合もあります。
転送量の目安を超えてサイトが重くなったり表示されなくなると、せっかく来てくれたユーザーが離れて機会損失になりますし、結果として検索順位が下がる可能性もあります。
転送量の目安の確認方法ですが、レンタルサーバーのサイトにある「よくある質問」のページに書かれていることが多いです。
転送量超過による制限を防ぐための対策
転送量超過による制限を防ぐための対策として効果的なのは、送信されるデータのファイルサイズを小さくして転送量を減らすことです。
データのファイルサイズを小さくする方法はサイトを高速化する方法と同じなので、サイトの高速化に取り組んでいけば転送量超過による制限を防ぐための対策にもなります。
サイトを高速化(転送量を削減)するために、特に有効となる施策は以下の3つです。
- 画像を圧縮する
- gzip圧縮を使用する
- ブラウザやサーバーのキャッシュを使用する
おすすめの画像圧縮ツール:オンラインイメージ最適化ツール
gzip圧縮についての詳細:gzip圧縮の設定方法【.htaccessの書き方】
ブラウザキャッシュについての詳細:ブラウザキャッシュの設定方法【.htaccessの書き方】
サイトの高速化に取り組んでいても転送量の制限が発生する場合は、利用しているレンタルサーバーの上位プランにアップグレードするか、もしくは性能の高いレンタルサーバーに引っ越しするかになります。
転送量の計算方法
転送量の計算は簡単で、以下のような式で求めることができます。
ページのファイルサイズ × アクセス数 = 転送量
この式を使用することで、ページ単体の転送量・サイト全体の転送量・利用しているレンタルサーバーが耐えられるアクセス数のおおよその計算をすることができます。
データの送信量はキャッシュなどの影響で変わることがあるため、正確な転送量を計算できるわけではありません。
正確な転送量を確認するには、レンタルサーバーのアクセス解析機能を利用するという方法がありますが、アクセス解析や転送量の分析に対応しているかはレンタルサーバーによります。
ページ単体の転送量を計算する
ページ単体の転送量を計算する場合は、調べたいページのファイルサイズとそのページのアクセス数を掛け算します。
- ページ単体の1日あたりの転送量を計算する場合
- 調べたいページのファイルサイズ × そのページの1日のアクセス数 = そのページの1日の転送量
- ページ単体の1ヶ月あたりの転送量を計算する場合
- 調べたいページのファイルサイズ × そのページの1ヶ月のアクセス数 = そのページの1ヶ月の転送量
- (例)調べたいページのファイルサイズが1MB、そのページのアクセス数が1日に100PVだった場合
- ファイルサイズ1MB × アクセス数100PV = そのページの1日の転送量は100MB
サイト全体の転送量を計算する
サイト全体の転送量を計算することは難しいですが、サイトの中でテキストや画像の量が平均的なページ(平均的なファイルサイズのページ)を使って計算することで、サイト全体のおおまかな転送量を求めることはできます。
- サイト全体の1日あたりの転送量を計算する場合
- 平均的なページのファイルサイズ × サイト全体の1日のアクセス数 = サイト全体の1日の転送量
- サイト全体の1ヶ月あたりの転送量を計算する場合
- 平均的なページのファイルサイズ × サイト全体の1ヶ月のアクセス数 = サイト全体の1ヶ月の転送量
- (例)平均的なページのファイルサイズが1MB、サイト全体の1日のアクセス数が10,000PVだった場合
- ファイルサイズ1MB × アクセス数10,000PV = サイト全体の1日の転送量は10GB
利用しているレンタルサーバーが耐えられるアクセス数を計算する
転送量の目安からサイト全体の転送量を割り算することで、利用しているレンタルサーバーがどのくらいのアクセス数まで耐えられるかの予測を立てることができます。
- レンタルサーバーが耐えられるアクセス数を計算する場合
- 転送量の目安 ÷ サイト全体の転送量 = レンタルサーバーが耐えることができるアクセス数
- (例)平均的なページのファイルサイズが1MB、サイト全体のアクセス数が1日に10000PV、転送量の目安が1日あたり100GBだった場合
- ファイルサイズ1MB × アクセス数10,000PV = サイト全体の1日の転送量は10GB
転送量の目安100GB ÷ 転送量10GB = 1日に10万アクセスまで耐えられる
ページのファイルサイズを確認する方法
ページのファイルサイズを確認する方法で1番簡単なのは、Website Speed Testを利用する方法です。
サイトにアクセスしたら、URLの欄にチェックしたいページのURLをコピペし、「START TEST」をクリックします。
ページが解析され、速度スコアと一緒にファイルサイズが表示されます。
※下画像の赤枠で囲ったところです。
転送量課金について
転送量課金とは、レンタルサーバー側が設定した転送量の上限値を超えると課金が発生してしまうという料金体系のことです。
せっかく大量のアクセスを集められたのに余分な費用が掛かってしまっては意味がないので、転送量課金があるレンタルサーバーはおすすめしません。
といっても、国内大手のレンタルサーバーで転送量課金が掛かるところはほとんどありません。
ただ、格安レンタルサーバーや海外のレンタルサーバーを利用する場合には、事前にしっかりと確認しておく必要があります。
転送量課金が掛かるかどうかについては、多くの場合レンタルサーバーのサイトにある「よくある質問」のページに書かれています。
レンタルサーバー選びと転送量の目安
レンタルサーバーを選ぶときに、料金や機能ばかりに目がいってしまい、転送量の目安は見落としてしまいがちです。
しかし、転送量の目安を言い換えると「どのくらいのアクセスに耐えられるか」ということなので、サイトの規模が大きくなった時のために必ず確認しておかなくてはいけません。
画像や動画を多く使用するサイトやWordPressでブログを始める場合は、どうしてもファイルサイズが大きくなってしまうため、最初から転送量の目安に余裕のあるレンタルサーバーを選ぶことをおすすめします。
もしくは、最初は料金の安いプランを選んでおき、アクセスが増えてきたら上位のプランに変えるという選択もあります。
当サイトは、エックスサーバーのX10プランで運営しています。
料金は年間12,000円で、転送量の目安は1日あたり300GBとなっており、大規模な法人サイトでない限り、転送量を気にする必要はほとんどありません。
個人・法人・用途を問わず、幅広い方におすすめのレンタルサーバーです。
レンタルサーバーの料金や機能の詳細、キャンペーン情報などについては、トップページのレンタルサーバー比較|料金と機能の一覧をご覧ください。
転送量の目安についても、レンタルサーバーのプランごとに確認できます。