wwwあり・wwwなし どっちにするべきか解説

wwwあり・wwwなし どっちにするべきか解説
更新日:2021年12月21日

そもそもwwwってどういう意味?

wwwの意味を簡単にいうと、インターネット上のWebページ同士をリンクでつなぐことで、様々なWebページを閲覧することができる仕組みのことです。
wwwという名前は「World Wide Web」の頭文字からとった略称で、一般的にはWeb(ウェブ)と呼ばれています

よくある勘違いですが、「インターネット=Web」ではないので注意してください。
Webはインターネット上で行うサービスの一種です。

では、ドメイン(URL)に使われているwwwはどういう意味かというと、Webサーバーと呼ばれるサーバーの名前を表しています。
例えば「www.example.com」のwwwは、「example.comドメインのWebサーバー」という意味になります。

Webサーバー以外のサーバーを使うときは、wwwではなく他の名前が付けられます。
ほんの一例ですが、よく使用されるサーバーの名前には以下のようなものがあります。

Webサーバー(またはwwwサーバー)

Webサイトを運用するためのサーバーで、ほとんどの場合「www」という名前が付けられます。

例:www.example.com

メールサーバー

メールの送受信をするためのサーバーで、「mail」「pop」「smtp」「imap」などの名前が付けられます。

例1:mail.example.com
例2:pop.example.com
例3:smtp.example.com
例4:imap.example.com

FTPサーバー

ファイルの転送を行うためサーバーで、「ftp」「sv○○」などの名前が付けられます。

例1:ftp.example.com
例2:sv12.example.com

「○○.example.com」の○○部分をホスト名と呼び、サーバーの名前を表しています。
ホスト名は自由な名前を付けられますが、適当な名前を付けてしまうと自分以外の人が管理できなくなってしまうため、わかりやすいようにある程度決まった名前が付けられています。

ドメイン名とホスト名の関係

wwwの場合で言えば、Webサーバーのホスト名として慣例的に使われるようになったものだということです。
また、このwwwはURLから省略してもWebサーバー(Webサイト)へアクセスするようにできるため、wwwあり/なしを選択することができるのです。

wwwのあり/なしを決める前に知っておくべきこと

wwwのあり/なしを決める前に、予備知識として知っておくべきことがいくつかあります。
wwwなしのドメインではできないこともあるので、特に企業サイトの運営を考えている方はよく確認してください。

wwwのあり/なしによるSEOへの影響はない

wwwのあり/なしによって検索順位に影響することないので、SEO面だけで言えばwwwありでもwwwなしでも好きなほうを選んで問題ありません。

ただし、wwwあり/なしのどちらかにURLを統一する「URLの正規化」をしないと、検索順位に悪影響が出るので注意が必要です。
※URLの正規化については後述します。

一度wwwのあり/なしを決めたら変更することは難しい

一度wwwのあり/なしを決めた後は、基本的に変更することは推奨されません。
wwwのあり/なしを変更することは「URLの変更」という扱いになってしまい、検索順位に良くない影響が出てしまうからです。

どうしても変更したい場合は、301リダイレクトなどの設定をすることで検索エンジンからの評価を引き継げますが、すべての評価が元に戻らないこともありますし、検索順位が一時的に下がる可能性もあります。

その他にも、サイト内のリンクを全部変更しなくてはいけなかったり、外部サイトからのリンクが違うURLになってしまうといったデメリットがあります。
wwwのあり/なしは基本的に変更できないものだとして、慎重に選ぶ必要があります。

wwwなしではDNSのCNAMEレコードに登録できない

別名を定義するDNSのCNAMEレコードは、wwwなし(ホスト名なし)のドメインでは登録することができません。
CNAMEレコードが使用できないことにより、例えばCDNが利用できないといった影響があります。

CDNとは、Webサイトのコンテンツを保存しているサーバー(オリジンサーバー)から直接配信するのではなく、世界中に配置されたキャッシュサーバーから代理で配信することで、サーバーの負荷軽減やWebサイトの高速化ができる仕組みのことです。

個人サイトでCDNを使用することはないと思いますが、企業サイトの場合はCDNを導入する選択肢が出てくるかもしれません。
特にサーバーへの負担が考えられるような事業をする場合、CDN導入も考えたうえでwwwあり/なしを決める必要があります。

「CNAME Flattening」という機能に対応しているCDNサービスであれば、wwwなしのドメインでもCDNを利用できます。

wwwなしではサイトシールを表示できない場合がある

wwwなしを選択したサイトでは、SSLサーバー証明書のサイトシールを表示することができない場合があります。

サイトシールとは、認証局から認証を受けているサイトであることを証明する画像です。
サイト上に掲載することで、安全なWebサイトであることをアピールすることができます。

参考:SSL(https)についてわかりやすく解説

SSLサーバー証明書には、1枚の証明書でwwwのあり/なしどちらのURLでもSSL化できるようにする「2Way」という機能があります。
セキュリティ的にwwwのあり/なしどちらのURLもSSL化しなくてはいけないので、通常はこの2Wayを利用して両方のURLをSSL化します。

しかし、SSLサーバー証明書によっては、wwwありのドメインで申請しないと2Wayが利用できないという仕様になっている場合があります。
サイトシールは申請したドメインのみを対象とするため、この仕様のSSLサーバー証明書では、wwwなしのサイトにサイトシールを表示することができません。

この問題は、wwwあり/なしの両方で1枚ずつ証明書を取得すれば解決できますが、余計なコストや手間がかかってしまいます。

Google Chromeブラウザではwwwが省略される

Google Chromeでは、アドレスバーに表示されるURLから「https://」と「www」が省略されます。
つまり、wwwありにしていても、wwwなしのように表示されてしまうということです。

ただ、これはあくまで現時点での仕様であり、将来的にはwwwが表示されるようになるかもしれないため、wwwのあり/なしを決めるための判断材料にはしないほうがいいと思います。

ちなみに、URL全体を見たいときは、アドレスバー内をクリックすれば表示されます。

Google ChromeではURLのwwwが省略される

wwwありにするメリット

wwwありのメリットとして考えられるのは、主に以下のようなものがあります。

  • wwwありのほうが、WebサイトのURLとして馴染みがある
  • 「https://」を省略しても、WebサイトのURLだとわかる
  • 外部のサービスや機能を利用するときに、wwwありのほうが問題が少ない
  • 異なるジャンルのコンテンツやサービス(事業)をサブドメインで分けて運営する場合に、wwwありのほうが区分けがわかりやすい

まず、見た目のメリットでいうと、wwwありのほうがWebサイトのURLとして馴染みがあり、特にプロトコルの「https://」を省略した場合でも、wwwがあることでURLだと一目で伝わります。

技術的な面では、wwwなしのドメインだとCNAMEレコードに登録できなかったり、SSLサーバー証明書によっては2Way機能が利用できないといった制限があるため、外部のサービスや機能を利用する場合はwwwありのほうが安全です
この問題は、個人サイトで気にする必要はほぼありませんが、法人・企業サイトでは影響が出る可能性があります。

その他にも、サブドメインで複数のサービスを運営する場合に、メインのサービスをwwwありドメインで運営するほうが区分けがわかりやすいというメリットがあります。
例えばGoogleの場合、以下のようにサービスを使い分けています。

  • https://www.google.com/
    検索エンジン(メインのサービス)
  • https://myaccount.google.com/
    アカウント管理
  • https://support.google.com/
    ヘルプ・サポート
  • https://play.google.com/
    コンテンツ配信サービス・Android用アプリ
  • https://pay.google.com/
    決済サービス

Google以外にも、楽天やYahooといった複数のサービスを運営している大手企業は、ほとんどがwwwありを採用しています。

wwwなしにするメリット

wwwなしのメリットとして考えられるのは、主に以下のようなものがあります。

  • URLが短くなるので、見た目がスッキリして覚えてもらいやすい
  • 特にスマホの場合、URLの入力が楽になる

wwwなしにする理由といえば、なんといってもURLが短くなることです。
特に長いドメインでは、wwwがないことで見た目がかなりスッキリします。
短いドメインの場合でも、URLをより覚えてもらいやすくなるというメリットがあります。

当サイトもwwwが付くとかなり長いURLになるので、wwwなしを採用しています。

https://rentalserver-comparison.net/
https://www.rentalserver-comparison.net/

また、URLを直接入力する時には、wwwがない分だけ手間が減ります。
PCの場合は負担になりませんが、スマホの場合はwwwがないだけでもだいぶ入力が楽になります。

wwwあり/なしどっちにするべきか

個人サイトの場合であれば、本当にどちらでもいいと思います。
wwwあり/なしのURLを比べてみて、見た目のバランスや好みで決めて問題ありません。
ただ、当サイトのようにドメインが長い場合は、wwwなしのほうがスッキリしていいと思います。

法人・企業サイトの場合でも、基本的はどちらでもいいのですが、以下のようなサイトにはwwwありを推奨します。

  • WebサイトのURLだとわかりやすくしたいサイト
  • 複数のコンテンツやサービスをサブドメインで分けて運営するサイト
  • 外部のサービスや機能(CDNやサイトシールなど)を導入するサイト

検索結果をみると、法人・企業サイトでもwwwなしのサイトが増えてきていますが、大手企業ほどwwwありを採用しています。

wwwのあり/なしでSEOには直接影響しませんが、一度決めてしまうと基本的に後から変更できない(URLの変更になってしまう)ので、メリットとデメリットをふまえてよく検討してください。

URLの正規化を忘れずに

wwwのあり/なしをどちらにするか決めたら、「URLの正規化」をする必要があります。

URLの正規化とは、重複しているURLを1つのURLに統一することです。
例えば、wwwありの「https://www.example.com/」とwwwなしの「https://example.com/」は、人間がアクセスするとまったく同じ内容のページに見えます。
しかし、Googleなどの検索エンジンは、内容が同じだけど異なるページとして認識してしまいます。

重複コンテンツについて

このように、同じ内容のページに複数のURLからアクセスできる状態のことを「重複コンテンツ」と呼び、検索エンジンから低評価を受ける可能性があります。
SEO面はもちろん、人間の目線で見ても複数のURLがあることは良くないことなので、正規にするURLを検索エンジンに伝える必要があります。

正規化が必要になるURLは、「wwwのあり/なし」以外にも「SSLのあり/なし」や「index.htmlのあり/なし」などがあります。
URLの正規化の詳細と設定方法は、URL正規化の方法【.htaccessの書き方など3種類】をご覧ください。

よろしければシェアお願いします
totopアイコン