リンク否認ツールの仕組みと使い方を完全解説
リンク否認ツールとは?
リンク否認ツールとは、サイトに悪影響を与えている被リンクを無効化するためのツールです。
例えば、検索順位の操作を目的としたリンク・低品質なリンク・スパム目的のリンクなどが被リンクの中にあった場合、サイトの評価が下がったりペナルティを受ける可能性があります。
これらのリンクが原因で下がった評価は、リンクを削除しないと元には戻りません。
しかし、自分で削除できるリンクであればいいのですが、他サイトのリンクを削除することは難しく、特に相手が不正なサイトとなると、リンクを削除することはほぼ不可能です。
このような場合に使用するのがリンク否認ツールで、Googleの検索エンジンに「このリンクを無効化してください」と指定することができます。
サイトに悪影響を与えるリンクの種類
サイトに悪影響を与えるリンクには色々な種類がありますが、大きなくくりでまとめると以下の3つになります。
- 不自然なリンク
- 検索順位を上げることが目的の不正リンク
- 低品質なリンク
- 低品質なコンテンツや関連性のないページからのリンク
- スパムリンク
- 他サイトの検索順位を下げることなどが目的の悪質なリンク
※より具体的なリンクの例については後述します。
リンク否認ツールの予備知識
リンク否認ツールは、サイトの評価や検索順位に影響するツールであるため、慎重に使用しなくてはいけません。
間違った使い方をしないためにも、リンク否認ツールについて知っておくべきことがあります。
ほとんどのサイトでは使用する必要がない?
Googleの検索エンジンは、不自然なリンク・低品質なリンク・スパムリンクをデフォルトで無効化する仕組みになっています。
そのため、基本的には「手動による対策」と呼ばれるGoogleからのペナルティを受けたサイトか、もしくはペナルティを受ける可能性があるサイトでのみリンク否認ツールを使用し、それ以外のサイトでは使用する必要がないとされています。
しかし、検索エンジンも完璧ではないので、悪いサイトから勝手に貼られたリンクを不自然なリンクだと判断し、サイトの評価を下げてしまう可能性はもちろんあります。
実際に、検索順位の落ちたサイトがリンクの否認を行ったことで順位が戻ったという例はあるので、コンテンツの質に問題がないのに検索順位が落ちて戻らない&怪しいサイトからのリンクが大量にあるというサイトの場合、リンクの否認を試してみる価値はあります。
検索順位を上げるために使用するツールではないということに注意してください。
あくまでも、ペナルティを受けているサイトであったり、低品質なリンク・スパムリンクによって評価が下げられている可能性のあるサイトで使用するツールになります。
検索順位への影響は?
被リンクは検索順位を決める重要な要因のひとつであるため、リンク否認ツールを使用することによって検索順位に影響が出る可能性があります。
具体的な影響としては、以下のようなパターンが考えられます。
- Googleからの手動による対策が解除され、以前の検索順位に戻る
- 不自然なリンクによってGoogleから手動による対策(ペナルティ)を受けた場合、検索順位が下がったり検索結果自体から除外されることになります。
不自然なリンクを削除するか否認して、手動による対策が解除されれば、検索順位は以前の状態に戻ります。
厳密には、元の順位に戻るわけではなく、ペナルティを除いた状態でサイトが評価されるようになります。 - 低品質なリンクやスパムリンクを否認することで、以前の検索順位に戻る
- 手動による対策ではなくても、低品質なリンクやスパムリンクによってサイトの評価を下げられる可能性があります。
このようなリンクを否認することで、検索順位の下がっていたサイトが元の順位に戻る場合があります。 - 高品質なリンクを否認してしまい、検索順位が下がる
- 自然なリンク(ナチュラルリンク)などの高品質なリンクを否認してしまった場合、リンクによるプラスの評価がなくなってしまうので、検索順位が下がる可能性があります。
- Googleがすでにリンクを無効化しており、検索順位は変わらない
- Googleの検索エンジンは、不自然なリンク・低品質なリンク・スパムリンクを無効化する仕組みになっています。
もちろんすべて無効化できているわけではありませんが、否認したリンクがすでにGoogleから無効化されていた場合、検索順位は変わりません。
このように、リンク否認ツールは検索順位に影響が出る可能性があるので、仕組みを理解したうえで慎重に使用する必要があります。
高品質なリンクを否認して検索順位が下がってしまった場合は、リンクの否認をキャンセルすることで元の状態に戻すことができます。
しかし、リンクの否認をキャンセルしてもすぐに反映されるわけではなく、元の順位に戻るまで数週間以上かかる可能性があります。
※キャンセルの方法と反映されるまでの期間については後述します。
どのようなリンクを否認すればいい?
サイトによって対象は異なりますが、否認すべきリンクの具体例をまとめると以下のようになります。
- SEO業者に依頼して設置したリンクなど、金銭のやり取りをして得た有料リンク
- 自分のサイトへの必要性のない自演リンク
- 過剰な相互リンク
- コンテンツの価値がないページからのリンク
- 関連性のないページからのリンク
- 自動生成されたページからのリンク
- リンク集サイトからのリンク
- スパムサイトからのリンク
有料リンク・自演リンク・相互リンクにおいて自分が関与しているリンクがある場合は、まずリンクを削除するか、もしくは「rel="nofollow"」を使ってページランクを転送しないようにすることを優先してください。
リンク否認ツールは、自分で削除できないリンクに対して使用します。
リンクが否認されるまでにどれくらい時間がかかる?
リンクが否認されるようになるには、Googleのクローラーが指定したページをクロールし、再処理を行う必要があります。
早ければ数週間ほどで否認されますが、低品質なページほどクロール頻度が低いため、場合によっては数ヶ月以上かかる場合があります。
リンクが否認されたか確認することはできる?
リンクが否認されたかどうかを確認する方法はないので、検索順位やアナリティクスなどのデータを見て判断するしかありません。
また、否認されたリンクであっても、Search Consoleのリンクレポートには表示され続けるので注意してください。
あくまでリンクの否認をするのであって、リンクの存在自体を削除するわけではないからです。
リンク否認ツールの使い方
リンク否認ツールの使い方自体はとても簡単で、以下の順序通りに行えば難しいことはありません。
- 否認するリンクを精査して選ぶ
- テキストファイルで否認するリンクのリストを作成する
- 否認するリンクのリストをアップロードする
繰り返しになりますが、自分の関与している不自然なリンクがある場合は、まずリンクを削除するか、もしくは「rel="nofollow"」を使ってページランクを転送しないようにしてください。
自分では削除できないリンクに対してリンク否認ツールを使用します。
特に、手動による対策を受けているサイトの場合、原因となるリンクを削除せずにリンクを否認していっても、ペナルティは解除されない可能性があります。
否認するリンクを精査して選ぶ
リンク否認ツールを使用する上で一番重要になることは、否認するリンクをしっかり精査して選ぶことです。
否認するリンクの精査は、Search Consoleのリンクレポートから行います。
まず、Search Consoleのメニューにある「リンク」を開き、上位のリンク元サイトの「詳細」をクリックします。
リンク元サイトの一覧が表示されるので、怪しいサイト(ドメイン)を探してクリックします。
リンクされている自サイトのページが表示されるので、続けてクリックします。
リンクしているページが表示され、「新しいタブで開く」をクリックするとそのページが開きます。
直接ページを開くことが怖い場合は、URLをコピーしてGoogle検索から確認してください。
※アドレスバーではなく検索窓から検索してください。
このように怪しいサイトからのリンクをひとつずつチェックして、「疑わしいリンク」と「微妙なリンク」で区分けしていきます。
「疑わしいリンク」と「微妙なリンク」で区分けするのは、高品質なリンクまで否認してしまうリスクを減らすためです。
怪しいサイトからのリンクだと思っても、Googleは高品質なリンクと評価している可能性があります。
否認するリンクは後で上書きすることができるので、確実に疑わしいと思うリンクから否認し、微妙なリンクは保留しておくことをおすすめします。
テキストファイルで否認するリンクのリストを作成する
否認するリンクの精査が終わったら、「疑わしいリンク」に区分けしたリンクをメモ帳などのテキストファイルに記述していき、否認するリンクのリストを作成します。
このリストはGoogleに送信するファイルになるので、記述間違いのないように注意してください。
否認リンクリストの記述ルールは以下の通りです。
- 否認するリンクは、サイト全体を否認する「ドメイン」か、ページ単位で否認する「URL」で指定できます。
- ドメインを指定する場合は、先頭に「domain:」を付け、続けてドメインを記述します。
- ルートドメインで指定すると、サブドメインを含むすべてのドメインを否認します。
- サブドメインで指定すると、ルートドメインや他のサブドメインは否認されません。
- サブディレクトリを指定することはできません。
- URLを指定する場合は、「wwwのあり/なし」や「httpsのあり/なし」を正確に指定する必要があります。
- 指定するドメイン・URLは、1行につき1つにします。
- 行の先頭に#を付けるとコメントアウトすることができ、その行は無視されます。
- テキストファイルの文字コードは「UTF-8」、ファイル拡張子は「.txt」で保存します。
実際の記述例は以下の通りです。
# サイト全体を否認(ドメインを指定)
domain:example.com
domain:example.net
domain:subdomain.example.org
# ページ単位で否認(URLを指定)
https://example.com/spam.html
https://www.example.net/annoying.html
怪しいサイトは基本的にドメインで指定していけばいいのですが、例えばサブディレクトリ型の無料ブログサービスなどの場合、そのサービス内で運営しているすべてのブログからのリンクを否認してしまうので、ドメインではなくURLで指定するようにしてください。
否認するリンクのリストをアップロードする
作成した否認リンクのリストは、Googleの専用フォームにアップロードします。
まず、リンク否認ツールにアクセスして、プロパティ(適用するサイト)を選択します。
次に、「否認リストをアップロード」をクリックして、ファイルをアップロードします。
エラーが表示されなければ、リンクの否認は完了となります。
「○○ドメインと○○URLが否認されています」と出るので、数が合っているか確認してください。
否認するリンクのリストを上書き更新する
否認するリンクを追加または減らす場合は、新しい否認リンクのリストを作成し、「置き換える」をクリックしてアップロードすれば上書き更新されます。
また、「リストをダウンロード」をクリックすると、現在適用している否認リンクのリストをダウンロードすることができます。
リンクの否認をキャンセルする
リンクの否認をキャンセルするには、「否認をキャンセル」をクリックします。
現在適用されている否認リンクのリストが削除されますが、反映されるまでに数週間以上かかる可能性があります。
リンク否認ツールの注意点
リンク否認ツールは、被リンクを扱うとても強力なツールであるため、間違った使い方をすると検索順位が下がるなどの影響が出る可能性があります。
繰り返しになる部分もありますが、リンク否認ツールを使用する際の注意点をまとめておきます。
- リンク否認ツールは、手動による対策を受ているサイトや、低品質なリンク・スパムリンクによって評価が下げられている可能性のあるサイトで使用するツールであり、検索順位を上げるために使用するツールではありません。
- 自分の関与している不自然なリンクがある場合は、まずリンクを削除するか、もしくは「rel="nofollow"」を使ってページランクを転送しないようにしてください。
自分では対応できないリンクがある場合に、リンク否認ツールを使用します。 - 否認するリンクの精査は慎重に行う必要があります。
高品質なリンクを否認してしまうと検索順位が下がる可能性もあるので、まずは確実に悪いと思うリンクから否認して様子を見るようにしてください。